讃岐・金刀比羅宮、通称「こんぴらさん」
この優しい響きに導かれて金毘羅参り。そこで知っときたい「金刀比羅宮に隠された本当の霊力とは何か?」というのが本日のテーマです。
文豪、森鴎外も実際の経験をもとに書いたとされる小説「金毘羅」の中で、金毘羅さんの霊力について無関心でいられないことを匂わせています。陸軍軍医総監にもなった名医でもある鴎外の基本姿勢が、「機器に頼らず五感に頼れ」というのも、未知なる大自然への畏敬の念をベースにおいていたからに他ならないでしょう。
神様に対しても「(存在する)かのように」振る舞うことをよしとしているところを見ても、人知を超えた存在を否定も肯定もしない距離感でとらえているのは間違いありません。
かのように、金毘羅さんの霊力は恐れ多いものであるという前提で「金毘羅さんの秘密」を探っていきましょう。
ではでは、大きな秘密の一部に触れるのは最後にして、まずは「こんぴらさん」に纏わるいろいろな話題から話を始めましょう。
本宮の御祭神
本宮の御祭神は大物主神と崇徳天皇です。
大物主神は大国主命の和魂といわれ、国づくりにご尽力された大国主命の御神意のままに幸魂のご利益を授かることができます。 奥社までの長い1368段を登り切ると「長い苦労が報われる、果実収穫の機会」を授かると言い伝えられています。
ただし大物主神は時として荒御魂となることがあり、真心を尽くさないと大変なことになるとも言われています。その理由が本宮から奥社の間には鎮座する御魂にあります。参道には日本三大怨霊といわれる「崇徳天皇」や「菅原道真公」をお祀りした神社が参拝者を見守る関所のようにあり、神社の前を通る者はこれら神々の霊気を感じれば感じるほど試練の辛い思いが重い荷物のようにのしかかるように、足どり重く長い石段を登ることになります。
このように洗礼を浴びながら心して奥宮までたどり着けば「試練を乗り越えるたくましい精神と充実した身心」を得る準備が整ったということになる訳です。
〈本宮より讃岐平野を望む〉
奥社の御祭神
奥社は正式名称を厳魂神社といいます。金刀比羅本教の教祖、厳魂彦命は戦国時代に金比羅大権現の当別職にあり、高野山で修行した後金刀比羅本教の教祖となったのですが、山の護主を誓って山の神天狗になったと伝えられています。これを具現化するかのように神社の西側に断崖があり、天狗の彫刻面が2面参拝者と目を合わせる位置に存在しています。
天狗は「あらゆる魔を降伏させる力を持つ神の使い」とも言われているように、荒ぶる御魂パワーをじょうずにコントリールし、優しい神様(和魂)として御祭神が鎮座されますよう、神域を守っていらっしゃるもかもしれません。
さて、ここで参拝者は奥社とともに天狗様におも祈りするのですが、この位置こそ奥社の拝殿の遙か遠方には出雲大社、遙か後方には秘宝が眠っているといわれる剣山が一直線上にある古代からの強力なパワースポットとなっています。このレイラインと呼ばれる線状エネルギー帯は日本各地に存在します。
往古の歴史の伝説に登場する山の神天狗や剣山、そして出雲大社との繋がりが神話の世界を想像すれば、レイラインのエネルギーを刺激して、いっそう霊力が増してくるのを実感できるでしょう。
伊勢神宮、宇佐神宮、出雲大社、そして富士山にも匹敵する、エネルギー結集ゾーン。こんぴらさんは強力な霊力の集合する神域であることは地図で確認しても納得がいきますし、何よりも当地にて肌で感じる霊力は間違いなく本物です。
「こんぴらさん」の本当の霊力とは?
さてさて、では金毘羅さんの本当の霊力とは何なのか。いよいよ本題に入っていきますが、もうお分かりでしょう。
日本三大怨霊の終結する凄まじいばかりの破壊力が、和魂(にぎみたま:やさしい魂)となって再生しているこのパワースポットには、強力な心願成就のエネルギーの真っ只中にどっぷりと漬かることで、魂がフルチャージされ励起する力が存在するのです。
一歩取り扱いを間違えればダーク世界に落ちかねない荒ぶる魂の叫び。これを上手くコントロールしてはじめて得られる、高貴なエネルギー。この何とも言えないエネルギーの妖艶さに魅せられて、いにしえより多くの参拝者がやってきました。
主祭神が大物主命であったことは、最近までほとんどの人に知られていなかったように、金比羅さんには往古より、伏せておきたいダビンチコードのような背景があるようです。古代日本の国土を開拓した神話の神のパワーは時空を超えて成長を続け、更なる影響力を今も周囲に与え続けている。ただそこにはもっと、誰にも知られざる秘められたパワーが眠っていると考えて間違いありません。
本当の霊力を知りたいと願うものは、まず当地にまつわる神話を心の目でみて感じ取っていく事が大事だと痛感します。その秘められたパワーを感じ取った上で各々のご事情でお参りすれば一層、パワフルに励磁されたエネルギーを神々から正しく受け取れる、そのような神秘なものだということをあなたも気が付かれたのではないでしょうか。
時代の「こんぴらもうで」は金運ビジネスモデル
ところで江戸時代には、伊勢神宮につぐ第二の聖地巡礼の地として全国からの参拝詣で賑わったことは周知のところです。
「こんぴら舟舟 追い手にほたてて しゅらしゅしゅしゅ」と古い民謡で、「お座敷遊び」でも歌われ親しまれた海の守り神として教科書にも登場し、「こんぴらさん」は当時では皆が知っている人気スポットでありました。 まるでアミューズメントのように軽快でウキウキするノリは、今のCMを見ているようですね。
日本中の人がなぜこんぴらさんを目指すのか?
今も年間300万人の人が金比羅参りに全国から集まります。なぜそんなに参拝者が多いのでしょうか。それには政府(当時の江戸幕府)の思惑も関係しているようです。
「像頭山」は大物主信仰の聖なる山として、平安時代には既に琴平神社として広く信仰を集めていましたが、崇徳天皇が合祀されてからは朝廷からの特別な崇敬されるようになり、さらに江戸時代には徳川家康の保護を受けて、庶民の絶対的な信仰を集めるようになりました。日本中の人がこんぴらさんを目指すようになったのは「政府公認」いわば江戸幕府の観光信仰景気対策のモデル事業となったからです。
何故「こんぴらさん」がこんなにも人気となったのか?
興味ある諸説の一つにこんなのがあります。尾張のある有名な霊能力者が夢のお告げを受けました。「四国のこんぴらさんに行けば御利益がある」と。それ以降、庶民の「こんぴら詣で」が盛んになり幕府も認めるようになったともいわれています。
するとさらにご利益の噂が広まって、更なる参拝者が増える。海運の船乗り達が各所でご利益を説く。すると更に参拝者が押し寄せる。これは顧客のリピーターを増やすビジネスの王道、集客モデルの教科書のような成功事例。国の一大事業として絵に描いたような「参拝者集客のビジネスモデル」が出来ていった訳なのです。
江戸時代の「ラスベガス」、ご利益の話題は「富くじ」と「歌舞伎」
金比羅詣での賑わいようは、まさに江戸時代の「ラスベガス」(タモリ談)のようなところだったようです。その話題の中心は「富くじ」と「歌舞伎」、「マネー」と「ショー」のラスベガスそっくりの集客システムです。
「1に健康・2に観光・3に信仰」と言いながら実は「1に信仰・2に金運・3に観光」だったとしても、誰はばかることなく「こんぴら参り」に出かけていったという訳です。
1835年建造の金丸座では有名な歌舞伎。その舞台は富くじの抽選場所にもなっており、舞台の中央で抽選 月に2回(出雲は年1回)行われ、一等は今の宝くじと同じくらいだったと言われています。
更にご利益を求めて人が集まり、からだが不自由とか経済的な理由からお参りに行けない人々は、参拝を人に託けて、参拝代表団を送り込むことになりました。
このように賑わいを見せた「こんぴら詣で」は、明治初め頃には4本の鉄道が琴平を目指して敷設されるまでに発展しました。
参拝の証が「こんぴらさん」でしか売っていない「飴」
もう一つ参考にしておきたい「集客システム」にこんぴらさんでしか売っていない「飴」があります。参拝者が持ち帰ったお土産の飴をみんなで割って食べる、そうすると今度は自分も行ってみたいとどんどん信仰心が昂揚してくる、といった具合です。
今もこの飴が金刀比羅宮の神域内でのみ販売されており、なんと鎌倉時代から800年も続きているというから驚きです。
金比羅の神様が海運の神様となり、信仰心が益々高まったことも大きな要素です。。瀬戸内海は海の交通の要所。江戸時代には西回り航路を担っていた瀬戸内海の船乗りによって全国に「こんぴらさん」のご利益の噂を広めることとなった。そして「こんぴらさん」のご利益にあずかる人が次から次へと奉納品を納め、直接参拝できない船乗りは海にお酒を海に落とす「流し樽」を実行。それを地元の漁師がひろってお参り奉納すると両者にご利益があるとなって、この結果境内に大変なことが起こった。
477段目から参道に玉垣という全国からの奉納された石碑がところ狭しと建てられ、ついに迂回道ができるまでになった。というのです。
まさに金運の超パワーがもたらす、好循環の渦。これが金毘羅さんの成せる技なのです。人々がいつの間にか、連鎖・連携をして幸運をつないでいく。神の見えざる手に導かれるかの如くに政府(幕府)が目をつけ国策として景気浮揚策の目玉となったのも、実は金毘羅大権現の強大な霊力のおかげとも言える訳です。
さてさて、「こんぴらさん」の重要な秘密を冒頭に少し触れておきましたが気が付きましたか。下記にもう少し詳しく「金刀比羅宮のデータ」を頭に入れてしておきましょう。ここを理解するのとしないのでは、ご利益という点からも天地の差があります。
金刀比羅宮に隠された本当の霊力とは「金運」と「健康」!
それではご祭神からレビューしましょう。特に崇徳天皇の神霊をお迎えしてからは、「神威がますます著しく、暦朝皇室の尊崇はすこぶる篤く、諸大名から一般庶民まで広く信仰され、神徳はいよいよ昂揚した」(金刀比羅宮ホームページ)とあります。
崇徳天皇の怨霊は凄まじく、「われ、日本国の大魔王となって、復讐する」といった具合です。明治天皇は、即位に際し、400人の勅使を讃岐に使わし、崇徳天皇の御魂を京都に召還し、白峯神宮を創建されています。
ご利益を求める前に、「掛けまくも畏き御魂」に、お祈りしておかねば、ダークサイドに落ちてしまうほどの凄まじい霊力。この霊力は地政学的に歴然と存在する線状エネルギー帯にパワースポットが形成され、そこに必然のように終結した日本三大怨霊の和魂。
ここでお参りする方は、真摯に自己と他者に向き合い、清涼な気持ちでお祈りをしなければなりません。そして、金比羅大権現の超エネルギーの流れる方向にベクトルを自身の心願に合わせ、祈る。この時は、出雲大社と剣山を意識して時空に思いを飛ばしましょう。必ず凄まじいエネルギーに思いが励磁され、心願成就すること間違いありません。
そのエネルギーの流れは「金運」を運ぶものだ、といって過言ではないでしょう。金運を掴むには、金の亡者になってしまってはダークサイドに荒魂に突き落とされてしまいす。これは漫画やドラマでも定番のパターン。
人は真実と信義に基づかなければなりません。憎しみ・嫉妬・利己的な心、これらを全て排除し、他人を思いやる心があってはじめて自己の金運を掴むことができる、「こんぴらさん」の和魂はそう叱責されておられるのですが皆さんは聞き取れましたか。
それからもう一つ、忘れてはならないご利益があります。それは「健康」です。健康祈願の神社仏閣は数多くあり、どこもご利益があることは疑う余地もありまん。そこに共通するのは現代医学に頼りながらも一方で神仏を信じ、ご加護をお祈りする敬虔な気持ちです。冒頭の森鴎外もそうであったように。
そこで大事になるのが「諸々の罪穢れをお祓いしお清め」して頂くために、自身でも気が付かない怨念に対して真摯に向き合い謝罪することだと言われています。金比羅宮にて鎮座されている日本三大怨霊がなぜ和魂でいらっしゃるのか、その秘密を推察すべきなのです。そして怒りの根源に触れ、ご自身の謝罪をしなければなりません。
中でも史上最強の怨霊といわれる崇徳上皇は凄まじい形相で「日本国の大魔縁となり、・・この教を魔道に回向す」と書いたそうですが、この形相こそ不遇の極相ですね。「笑う門には福来る」といわれ、笑うことが健康にもよいことは、だれでも知っています。
荒魂から和魂になること、イコール「凄まじい怨念の形相」から「笑顔」になるための関門を金毘羅さんの長い階段の要所要所で通過することになります。ここがチェックポイント、狭い参道にある心願成就への確かな道しるべです。
奥社までの1368段を登り切った時には、どんなにすがすがしい気持ちになってお祈りできるのか、その方法・作法は何か。もう皆さんはお分かりになりましたね。そのような参拝を想像するだけでも楽しく、ご利益をいただける気分になりませんか。
像頭山(琴平)の往古の歴史、日和山の中でも群を抜く霊力を感じた修験道の役子角のクンピーラ(鰐龍蛇)の神験、オオクニヌシの御魂など、古い時代から日本人が崇拝していた神域がここにあります。 |
ご利益を求める前に、「掛けまくも畏き御魂」に、お祈りしておくことがありますね。
^^^^^^^ 金刀比羅宮のデータや話題は他にも下記のとおり ^^^^^^^
本宮 金刀比羅宮 (別称、金比羅大権現)
ご祭神 >大物主神(すさのおの命の子・大国主命の和御魂、荒御魂は往古一の怨霊)
>崇徳天皇(第74代天皇、悲劇の上皇、日本最大怨霊)
奥社 厳魂神社 (いづたまじんじゃ)
ご祭神 >厳魂彦命 (修験道の聖地創始者)
境内社 常盤神社
ご祭神 >武雷尊(天孫降臨の武勇の神)
>誉多和気尊(仲哀天皇、神功皇后の皇子で八幡神)
白峰神社
ご祭神 >崇徳天皇
>待賢門院
>大山祇神
菅原神社
ご祭神 >菅原道真命 (学問の神様 無罪の罪で流され日本三大怨霊)
特記事項
大門まで365段目 金刀比羅宮の本宮まで785段
大門から神域に入り、さらに本宮の奥に奥宮がある 海抜421M
真井橋より、常磐神社、白峰神社を通り、538段目の奥に鎮座しているのが巌魂神社
神域では、5人百姓と呼ばれる人が鎌倉時代800年前から30代目、飴だけを売り続けている。
不完全メサ地形
本宮の位置 本宮までが傾斜が緩い花崗岩
ここから上は安山岩が硬い岩で急な地形 遠方からみると像の姿をしているので「像頭山」と言われている。
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