耳より話68:困った時の「お地蔵さま」☘お地蔵さまの知らざる使命とは?

寅さんの映画にも登場する「お地蔵さま」の話です。

日常のちょっとした場面に、お地蔵さまを見るとホッ
としませんか?

私たち日本人の暮らしに、昔ばなしには無くてはなら
ない存在として、弱い庶民にいつも寄り添ってくださ
っていますね。

この「地蔵さま」のこと、もっと知りたいと思いませ
んか?



さてさて、

ちょっと難しく仏教的に調べてみると、だいたい次の
とおりです。

一体何者なのでしょうか?!

仏教にも神様がいるのはご存じでしょうか。

いわゆる、神社などでの祈願とちょっと違っているの
は、「神様」の定義が違っているからなのです。

仏教では「この世はこうだ」「あの世(来世)はこうだ」
という悟りを開き、仏のこころを持つのがおおきな意義
でもあるところですが、
でも、人間は「願う生き物」ですね。
色々な願い事が、生きている人の数だけあります。

神社で祈願する「願い事」と同じお願いことをお寺でする
ことも当然ありますね。

そんな時の神様は、仏教では「〇〇天」とか「〇〇菩薩」
とかになっていることに気が付いたでしょうか?

「お地蔵様」は「地蔵菩薩」といいます。

菩薩という名前には、次のような方がいます。

観音菩薩、勢至菩薩、弥勒菩薩、地蔵菩薩、文殊菩薩、
普賢菩薩、・・・ですね

「菩薩」は「菩提薩た」のことで、悟りに向かって努力
している人のことをいいます。(人間です)

この菩薩の下に仏教の「神」がいますから、ちょっと混同
してしまいがちですが、ここはしっかり区別しておかねば
なりませんね。

この菩薩の中で、日本各地で祀られ、とても馴染み深い、
身近な存在、それが「地蔵菩薩」すなわち「お地蔵さま」
です。

地蔵菩薩は、もともと地獄に落ちた人々を救済する菩薩で、
地位の高い存在なのですが、この菩薩の名を名乗る僧侶が
昔は日本に多くいたのだそうです。

その結果、よいことが村で起こると、うわさが広まって、
あの人が「地蔵菩薩」の化身だったのだ・・的な崇敬の念
を伴なった、いわゆる「あるある話」となって伝承されて
きたのだろう、と推測されています。



したがって、古来日本では「お地蔵さま」は人間の姿をし
ていて、法力があり、人々の願いを「救う」形で拾い上げ
てくださる、ありがたーい「菩薩」となったのだろうと、
いわれています。

言い換えると「お地蔵様」はこの世で、とてもやさしいお
姿で、路傍でニコニコと見守って下さる、実はとってもえ
らい仏さま、ということが分かったと思います。

ところで、一方、地獄の門には「閻魔大王」いわゆる「閻
魔さま」がいるのですが、

実はこの「閻魔さま」と「地蔵菩薩」つまり「お地蔵さま」
が同一人物というのを知っていましたか?

同じなんですね。

閻魔さまは「お地蔵さん」がした姿、

いやいや、

「お地蔵さん」は閻魔大王が変身したお姿なのだそうです。

これはこれこそ意外!! ですね。 (@_@)💦

そうです。

閻魔大王が天国行きか地獄行かをジャッジするのですが、
その前に、いろいろなところに出かけて、いろいろな人に
会い、色々な願いを聞いて、助けるためのあらゆる手立て
をしていらっしゃる。

そしてどうしても救えない者を閻魔大王の姿(最終の姿)
となって、苦渋の決断を下すっていう訳なのですね。

このように知ってみると、
やはり「お地蔵さん」にはすごいパワーがあって、必然と
して救いの手を伸ばしてくださるような「お祈り」や「お
願い」は、やはり聞いて下さるのだなあ、とおもいません
か?

鈴虫寺の「お地蔵さま」は草履(ぞうり)を履いていらっ
しゃるのだそうです。

ミノガサを被ったり、赤い頭巾を付けたりと色々なお地蔵
さんが、日本中のいたるところにいらっしゃるけれども、
草履を履いた「お地蔵さま」は鈴虫寺だけだそうです。

なんでも、

鈴虫寺のお地蔵さまは、一度お聞きになると、そのお願い
した人のところに、わざわざ出かけて行って、願い事を叶
えるそうなのです。

そのために、わざわざ出向くために草履を履いていらっし
ゃる、というのですから信憑性がありますね。

ぜひぜひ、願いを聞いてもらいたい人は、鈴虫寺に出かけ
みてはどうでしょうか。

でもでも、

注意事項が一つあります。

それは、鈴虫寺のお地蔵様は、願い事は「ひとつだけ」し
か聞かないのだそうです。

でも必ず聞き届けてくださるという事ですから、一度実現
すれば、次の願いをしに再び参拝するといいですね。

一回の願い事が1年だとすると、3年で3つの願い事、十
年だと十の願い事が叶うって訳ですから、とても頼もしい
お地蔵さまですね。

でもでも、

注意事項がいくつかあります。

一つ目は、自分の名前と住所を名乗ることを忘れないこと
ですね。
もちろんそんなことで知らん顔するようなお地蔵さまでは
ないでしょうが、くれぐれもご注意ください!

二つ目は、突拍子もないお願いはしないこと。当たり前で
すが、「それはもっともだなあ」という願い事でなければ、
聞き入れてくれないのは、言うまでもないでしょう。

この二つの注意事項を守れば、あなたの傍にも、ひょっと
振り向いたら、お地蔵様がたって、微笑んでくれているか
もしれませんね。